緑化擁壁運動について

現在、地球規模から見ますと、ブラジル・アマゾン流域の焼畑による熱帯雨林の破壊、又は自動車等の化石燃料使用による大気汚染とオゾン層の破壊、他方、日本に於いては、住宅建設等に伴う東南アジア地域の熱帯雨林の破壊、大気汚染、都市の過密化に伴う犯罪の増加等の多くの社会問題があります。このことは人口の増加と都市化、さらに文明の性急な発達等によるもので、すべて人間の行為によるものです。

 この解決には、人間の文化意識の向上による以外にないと考えます。人間の文化意識の向上をはかるためには、その教育を行うことが大切ですが、その他に都市空間と生活空間の整備が最も重要であると考えます。欧米に見られるように、道路にゆとりと緑を設け、建物間の空間、都市の美しさ、さらに、緑のある生活空間があると、人々の心にやすらぎと潤いがやどり、心は豊かになり、生活と人生に生きがいを感じるようになります。

 『衣食たりて礼節を知る』の諺のように生活環境をよくすることによって、文化に対する礼節を知り、しだいに文化意識が生まれることにより、政治にも関心をもち、人類の健全な発展が約束されます。

 このためには身近な道路のり面の緑化が文化意識の向上の第一歩であると考えています。道路・河川・建物廻りの擁壁を緑化(壁面緑化)すること、これが緑化擁壁運動なのです。

 この緑化擁壁運動の効果の過程を具体的に示しますと、最初に道路が緑化され自然との調和のとれた街並が出来ます。すると人々はくもの巣が張ったような、電線や電柱が気になります。現在、計画されている電線の地中化が、国民の声によって早まります。電線の地中化が進みますと、街は美しくなり、国民の目はしだいに肥えてきて、歩道の幅が気になり、街並が気になります。資本論の著者カール・マルクスの有名な言葉に『存在は意識を決定する』とあります。美しい街、うるおいのある都市が人々の意識を変えて行きます。

 この様な小さな一つの緑化擁壁運動が人々に健全な思想を宿し、生活空間と都市空間が生まれかわって行きます。ここに、国民の手によって21世紀の新たな建設事業が始まります。

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